ギターアンプ「フェンダーツインリバーブ」についての続編です。
過日、ツインリバーブについて記しましたが、ローランドのJC−120と比べて音のキャラクターを紹介しましたので、ひょっとしたらJC−120について書いた回と合わせて読んで、「ツインリバーブも2チャンネルのインプットがあってスピーカーも2発あるから、チャンネルリンクって技、使えるのか」と思い当たった方がいるやも!と補足の内容です。
いや、どなたも「そんなことまで考えてません」なのかもですが、昔、筆者はツインリバーブでも、チャンネルリンクできるに決まってるやん!と試したことがあるのです。
チャンネルリンクについては過去のブログをどうぞ→「ジャズコのチャンネルリンク」
結論からズバリ。ツインリバーブではチャンネルリンクを使うのはNG!
物理的にはJC-120同様、ノーマルチャンネルとビブラートチャンネルの2チャンネルをシールドでつないで、両方の回路とイコライザーを別々に使って2発のスピーカーから出音できます。ところがツインリバーブの仕様は、これをすると、右と左のスピーカーは逆位相になってしまうんです。
「逆位相」とはなんぞや? これ、説明するのはすっごく面倒な概念なので、むちゃくちゃ簡略化すると、音の波形が逆向きの音、といっちゃいましょうか。音は目に見えませんけど「波」だということは知っていますよね。オシロスコープって機械の画面で見るとこんな感じ
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この波形の逆向きっていうのは、こんな感じです
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凹凸が逆になっているのです。
どちらも、同じ音です。片方ずつこの音をアンプから聞いたとしても、超能力者でない限り、まったく同じ音にしか聞こえません。でも、この位相が逆の同じ音が同時に鳴ると、波同士がお互い打ち消しあって、理論上は無音になってしまいます。実際にはいろんな不安定要素があるので無音にはなりませんが、あきらかに音がへこみます。小さくなるのです。
つまり、ツインリバーブでチャンネルリンクをすると、2つのスピーカーから出る音がお互いを消し合うこととなり、出力が半減しぼやけた音になってしまうのです。
というわけで、ツインリバーブを使うときは、潔く、ノーマルチャンネルかビブラートチャンネル、どちらかで音作りに専念しましょう!
って、そもそもチャンネルリンクをさせようとは思ってもいない方がほとんでしょうけど(笑)