ギターのアッシュ材も、実はいろいろあります。

 ライトアッシュ材のストラトキャスター

アッシュ材のストラト、テレキャス、個人的に大好きです。フェンダーのギターボディの材といえば、アッシュかアルダー。ギブソンのレスポールなどは、メイプルやマホガニーの合板という全く異なる手法なわけですが、フェンダー系のボディ材としてよく耳にする「アッシュ」。

実はこのアッシュ材は、けっこうキャラクターの違うものが、十把一絡げに「アッシュ」と呼ばれていて、音色の違いが大きい素材です。

ホワイト アッシュ
スワンプ アッシュ
ブラウン アッシュ
パンプキン アッシュ
ライト アッシュ
ノーザン アッシュ
ジャパニーズ アッシュ

なんて、呼び方がごちゃまぜになって流通しているようです。
木の種類としては同じものもあれば間違ってアッシュと表記しているものもあります。

まず、木の種類としては「アメリカタモ」「アメリカトネリコ」という別名もある
「ホワイト アッシュ」
カナダやUSA北部に生える木。なので、「ノーザン アッシュ」という呼び名もあるわけで
「ノーザン アッシュ」と「ホワイト アッシュ」は同じ木種のことです。

きのままのホワイトアッシュ材

素材のままのホワイト アッシュはその名の通り、かなり白く美しい木材です。

塗装後のホワイトアッシュ材

ギターでの仕上がりは、こんな感じの塗装が施され、白いもの、というのではなく、木目模様がくっきりはっきりのアッシュ材が、ホワイト アッシュであることが多いです。
比重が高く重めの材で、木としては固い部類。より乾いている環境でカタチが安定する木だそうです。

★「ホワイト アッシュ」のボディのギターやベースの音色ですが、いわゆるドンシャリ。音が硬くて、高音と低音の鳴りがくっきりする傾向が強くなっています。
フェンダーでは主に70年代のベースにホワイト アッシュを使っているものが多いようです。

なにやら、このホワイト アッシュ材は、木による個体差も大きく、同じ木でも場所によってかなり異なるキャラクターの材になってしまう「ムラがある難しい木」のようです。
ギターの音色についても個体差が大きく「当たり外れ」の大きい材とも言えますね。
楽器に使われることは少ないと思われますがホワイト アッシュの芯の方は色が濃く「ブラウン アッシュ」などと呼ばれています。つまり「ブラウン アッシュ」もホワイトアッシュなわけです(なんじゃそれ!ですよね w)

ホワイト アッシュとは違う、もうひとつの「アッシュ」。
それが、「トネリコ」「タモ」という別名の
「スワンプ アッシュ」。こちらは同じ北アメリカ大陸でも少し南に生育する品種。

スワップアッシュ材のテレキャスターボディ

スワンプ アッシュのテレキャスのボディはこんな感じ。
スワンプ アッシュはホワイト アッシュに比べ色味も少し濃く黄色味がかっていて、「パンプキン アッシュ」と呼ぶこともあるのですね。はい、「スワンプ アッシュ」と「パンプキン アッシュ」は同じ木材です!

こちらは、ギターなどでの塗装仕上がりでは、ホワイト アッシュに比べると木目模様が少しだけぼやけた感じになっているのですが、他の材に比べれば十分にくっきりした美しい木目が特徴。

同じアッシュなので、同様の特徴で木としては固い部類ですが、ホワイト アッシュと比べると軽い!なので、「ライト アッシュ」とも呼ばれていますが、ムラがあるホワイト アッシュ材の中にも軽いものがあり、それも「ライト アッシュ」と呼ばれ、品種ではなく比重違いで「ライト」と表現されているようです。

★「スワンプ アッシュ」のボディのギターやベースの音色は、音が硬いのはホワイト アッシュと同じですが、低音より中音が鳴り、全体として煌びやかな高音域が響きます。倍音が豊富に含まれカラッとしたキャラクターです。
フェンダーでは主に50年代のギターにスワンプ アッシュを使っているものが多いようです。

まとめると

アッシュは品種で2種類ある。
★ホワイト アッシュ(=ノーザン アッシュ=ブラウン アッシュ)
★スワンプ アッシュ(=パンプキン アッシュ)

軽いアッシュ材ならどちらも「ライト アッシュ」と呼ぶ。って感じですね。

そもそも木の品種に限らず
重い木材だと、太い弦の振動エネルギーもしっかり伝わり、はっきりしたタイトな低音が鳴り、サステインも長くなる傾向となります。倍音は少なくなりおとなし目の音になりますが、エフェクター乗りは際立ちます。

軽い木材だと、振動性が良く豊富な倍音、軽やかで明るい音が出やすくなりますが、低音域は減る。クリーンやクランチだと倍音を活かした音色が作れますが、歪みをかけ過ぎると音が暴れやすい、ともいえます。

なのでフェンダーなどは、
ホワイト アッシュを、ドンシャリ傾向のベースに
スワンプ アッシュを、カラッと明るく倍音を多く出すギターに
多く使っているのですね。

ちなみに、「ジャパニーズ アッシュ」ってのは、別物。アッシュではありません。
ちょっと似た感じの別の国産品種(セン)の木をあたかもアッシュかのように名乗っているものです。音は悪いとは限りません。でも北アメリカ大陸のアッシュ材ではないのです。

ホワイトアッシュの木

↑ホワイト アッシュの木

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